最近では『スマイルデンチャー』が、すっかり皆様に浸透したようで、初診の段階からこの『スマイルデンチャー』の作製を希望される患者さんが、急速に増えてまいりました。』
アメリカで50年以上前に開発され、日本で普及するのにこんなにも時間のかかった技術も珍しいです。
スマイルデンチャーの耐久実験
(この動画は株式会社三和デンタルのご厚意により掲載させて頂きました。)
下の写真の患者さんは下の歯に部分入れ歯を入れています。
さて、どこからどこまでが入れ歯かお分かりですか?
前歯には歯列不正がありますが、奥歯の部分はとてもきれいですね。
部分義歯にありがちな、ピカピカ光る金属は見当たりません。
部分義歯を使用いていて、一番都合が悪いのは、歯にひっかけた金属のピカピカひかるバネが見える事ですね。
でも、この状態なら何の心配もなく笑う事が出来ます。笑顔もとても明るくなって、表情も生き生きとしてきます。
お口の中のコンプレックスは精神面にも大きな影響を与えます。
それでは、この患者さんが装着している義歯をお見せしましょう。
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面白い形をした義歯ですね。
これが、
『スマイルデンチャー』
です。 |
金属は全く使用されておりません。このため、『金属アレルギー』のある方でも安心してお使いいただけます。
バネのあるべき場所の設計がちょっと変わっていますね。
義歯のピンク色の部分はプラスチック系素材を改良して開発された『スーパーポリアミド』という材料で作製されており、これをバネと一体化させて作製してあります。
この従来の部分義歯の『バネ』に相当する部分を『ウイング』と呼びます。
このウイングが歯と歯茎の一部にピッタリと適合して、従来の義歯のバネの代わりをしています。
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この材料のおかげて、義歯の装着時に義歯とは気づかれにくく、口元のコンプレックスが解消されました。
この、『スーパーポリアミド』という材料は審美性のみならず、色々長所があります。
それを御紹介する前に、この患者さんが当院を受診される前に使用しておられた義歯を見てみましょう。
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◆ スマイルデンチャー
皆さんが良くご存知の健康保険で作製された義歯です。
でも、矢印の部分の人工歯を良く見て下さい。何か不自然に高さが高く、形もかっこ悪いですね。
実はこの患者さんには、顎関節症の項目で述べました『症状局所限局型』の顎関節症がありました。
お口が開きにくく、奥歯の部分は著しく低くなっており、下顎の後上方転位を伴った典型的な両側性顎関節症でした。
まず、スプリントを作製し、左右の筋肉の安静を図りました。
下顎が後ろに下がり、上方に引き上げられておりましたので、スブリント療法の最中に下顎を前方および下方に誘導する必要がありました。
そのために、それまで使用していた義歯を治療用義歯に転用し、奥歯の人工歯部分にプラスチックを少しづつ盛り上げながら、左右の噛み合わせに関与する筋肉のバランスを整えました。
最終的に、生理的に正常と思われる位置を3ケ月程度かけて探しました。
その間、この奥歯の人工歯部分に盛り上げたプラスチックの高さは約7㎜程度に及びました。
その後、左下の2本の小臼歯(下の写真の矢印部分)には、『審美歯科』の
ページで御紹介致しました『メタルボンド冠』を装着いたしました。以前はこの部分に銀冠(ジャパニーズ・クラウン)が装着されており、ピカピカと賑やかに光っておりました。
この『スマイルデンチャー』がセットされたのは、初診から起算して、実に5ケ月後の事でした。
この『スマイルデンチャー』を装着した日、患者さんに向かって、
『お口をアーンと大きく開けて下さい。』
と言いました所、元気良く大きくお口を開けて下さいました。初診時には、指が2本やっと入るくらいしか開かなかったお口も、十分に開くようになっていました。
顎関節症も治癒し、同時に素敵な笑顔を手に入れられました。
今後、お食事も対人関係も楽しいものになることでしょう。
義歯がその機能を最大限に発揮するためには、単に自費治療での義歯(この『スマイルデンチャー』や『金属床義歯』)を作って装着すれば良いというものではありません。
噛み合わせが、噛む事に最適な状態でなければ、健康保険で作製された義歯も週刊誌に載っているような、有名人が「ン~百万円」かけて作ったと言う義歯も、『噛む機能・噛みやすさ』という点ではあまり差はありません。
『噛みあわせ』
『上下の顎の骨の生理的に良好と思われる位置関係』
『左右の噛み合わせに関与する筋肉のバランス』
『左右の噛み合わせに関与する筋肉の安静』
この4つの状態は表裏一体で、これらの状態が良好である場合にのみ、義歯はその機能を最大限に発揮出来るのです。
話が随分横道にそれてしまいました。
さて、もうひとつの症例を御紹介いたしましょう。
患者さんは『華も恥らう50歳代の男性』です。
私も50歳になりましたので、彼の
『人前で入れ歯のバネがピカピカ光るのは恥ずかしいな!』
という繊細な感情が良く理解できます。
女性の皆さん!
男性の心は意外と繊細で「ビードロ細工」のように壊れ易いものなんですよ!!
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『スマイルデンチャー』を装着した時の写真です。とりあえずどこに入っているのかわかりませんね。
この程度のお口の開け方では誰も部分義歯を使用しているとは気付きません。
このように、仕事上で、お客様や大切な商談相手の方とお話しする場合には、相手には全く気付かれません。
さて、お口の中を良く見てみましょう。
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はい、ちゃんと『スマイルデンチャー』が入っていますね。
ここまで唇をめくってみないと部分義歯が入っているかどうか分かりません。
この症例のように、小臼歯と大臼歯が連続して3歯以上欠損しているとブリッジが作製できません。
このような症例では『スマイルデンチャー』は絶好の適応症となります。 内側はどうなっているのでしょう。
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なるほど!
こんな具合になっているんですね。
この状態で、『スマイルデンチャー』ははぐきと歯にピッタリ適合して、違和感の非常に少ない状態になっています。
食べ物のかすも詰まりにくそうですね。
それでは、この症例を模型と『スマイルデンチャー』実物の両方で見てみましょう。
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小さな部分義歯ですね。「健康保険で義歯を作ってみたものの、なかなか馴染めずに、いつのまにかどこかに行ってしまった。」なんて経験のある方は、義歯の付属物の違和感に馴染めなかった方が多いようです。
この『スマイルデンチャー』は構造がとてもシンプルで、舌や頬・唇に大きな違和感がないのが特徴です。
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設計は左の写真の通りです。
この様に『スマイルデンチャー』は色々な症例に柔軟に対応できます。
特に、この症例のように、比較的ちいさな義歯では慣れが非常に早いようです。
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男性にとっても『魅力的な笑顔』は何物にも変えがたい宝物ですね。
さて、『スマイルデンチャー』の両側性と片側性の症例を1例づつ見て頂きました。
それでは、『スマイルデンチャー』の詳しい説明をしたいと思います。
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