歯は体の健康の源(健康はよい入れ歯から)

   歯は体の健康の源(健康はよい入れ歯から)

  歯の健康と体の健康との関わり

 

  歯はただ単にかむためにあるものではなく、体の諸器官と密接に関連するひとつの臓器です。歯は臓器

私は三代目の歯医者ですので、歯に不都合な状態が起こると身体にどのような影響があるか、小さい頃から折に触れて耳にタコができるほど聞かされて育ちました。
しかし、一般にはまだこうした認識が不足しているのてはないでしょう
そこで、歯の健康と体の健康の関係について、いくつかの要点を挙げてみます。

① 美味しく食事を食べられる。

食べ物の消化を助ける。 良く噛める入れ歯

健康に生きていくうえできちんとかめることは絶対に必要なことです。

何年か前のテレビ番組でライオンの歯に草食動物の骨がはさまり、これが邪魔で肉を引きちぎる事が出来なくなった肉食勤物が死んてゆく姿が放映されました。 ライオンやトラなどの肉食動物の世界では、獲物を捕まえて食べる事が出来なくなる事は、死を意味します。

幸いなことに、人間には包丁で食材を細かく切断したり、火を使って軟らかく調理するという知恵があります。

歯の機能が少々不自由になっても、調理により軟らかい食事を作って食べることができますので、食べ物をかめなくなることが原因で、死に至ることは考え難いことです。

しかし、歯の健康が損なわれると、固いものやかみごたえのある食品を咀嚼できなくなります。

食事が制限されるということは、精神的にもよくありませんし、胃腸にも負担がかかり、消化吸収が悪くなることはすでに十分ご存知のことと思います。 入れ歯でかむと痛いので、軟らかいたべものばかり食べているという状態は全身の健康状態に影響を及ぼします。

②若々しい顔貌を保つ。

アンチエイジングよくかむことは、目の周囲の筋肉をさかんに動かし、筋肉の衰えを防止します。

かめないからといって軟らかいものばかり食べていると、口の周りの筋肉が衰えてシワが増え、唇も薄くなります。 目元もはりがなくなり、貧相な顔貌になってしまいます。

この状態が長期間続くと、いわゆる「老人様顔貌」と呼ばれる老人独特の貧相な顔貌へと変わってゆきます。

歯の健康は、顔つきを整え、顔貌を若々しく保つことに役立っています

適切に作られた入れ歯を使用する事により、口の周囲の筋肉の衰えを防止し、若々しい表情になります。

⑤記憶力の衰えを防ぐ。

指先の細かい運動などは、脳への良い剌激になることはよく知られている事実ですが、かむことでも脳を若々しく保つことができます。ぼけ

脳細胞は何もしないとどんどん減っていきますが、適度な刺激が加わる事によって増殖してゆきます。 脳の活動が活発なら、記憶力も衰えることなく、頭もしっかりしています。

かむと言う事は、脳を若々しく保つために必要なことで、認知症の予防に深く係わっています。

『ギュッと噛みしめて食べられる入れ歯』を入れる事で、ボケ防止につながる事はもう皆さん良くご存じの事でしょう。

⑥運動能力が向上する。

あるテレビ番組で「一時的に腕相撲が強くなる方法」が取り上げられました。運動能力向上

それは、上下の歯列の間に同じ程度の厚みのティッシュペーパーやタオルを挟んで強くかみ締めることで、いつもより大きなカが出て、腕相撲が強くなるというものです。

かむことで全身の筋肉が活性化し、重いものを持ち土けるときには、無意識のうちに口を閉じて歯をかみ締めることて、いつもより大きな力を発揮することはほとんどの皆様が経験的に知っていることですね。

体のバランスをとる  また、人間には生理的動揺(体のゆれ)があります。かむことにより生理的動揺を減少させることが報告されています。アーチェリーやライフルの射撃の選手は奥歯をかみ締めることによりこの生理的動揺が少なくなり、良い成績か出ると言われています。



体のバランスを上手に保つためには、奥歯できちんとかめる入れ歯を入れることが大切です。

⑤歯は、体調を管理している。

歯が生えている上顎の骨と下顎の骨、そしてそれをつなぐ顎関節は、人体の中枢である脳を包み込む頭部の半分を構成します。

歯に病気が起こったり、抜けてしまうと直ぐにかみ合わせの乱れが起こります。
このかみ合わせの乱れや狂いは、まず左右のかみ合わせに関与する筋肉群の異常緊張や不調和を引き起こします。

これに連動して、人体を包むすべての骨格筋群や内臓の筋肉群の不調和が引き起こされ、慢性的な筋緊張性の痛みやこりなどとともに、これに伴うストレスが発生・増大します。

さらに、筋肉につながる人体の基礎ともいえる骨盤や背骨・脊柱の歪みにまで発展するのです。

たとえば、肩こりや首筋のこり、腰痛、それに続く膝の痛み、生理不順、生理痛、便秘や下痢そして精神的な不調、顎の痛みや□を開けたときの顔の顎の音、目や頬の痛み、耳鳴り、難聴、頭痛、めまいこれらはすべて、歯科の関連症状として日常の診察の際によく耳にする症状です。

今では、入れ歯を作り直したら、肩こりや頭痛が消えたといった話は別に珍しい話でもなくなりました。

元気

歯は、かむためにあると同時に、頭の一部分です。
以上のように歯は臓器として、中枢神経系と密接に関連しながら食べる(咀嚼)、身体(運動能力)、脳(記憶など)などの重要な役割を担いつつ、全身の状態を調整しながら我々の日常生活を豊かなものにしてくれています。


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