人から入れ歯を入れている事を悟られないような入れ歯として、スマイルデンチャー・コンタクトデンチャーを御紹介致しました。
これらは弾性のある入れ歯で、適応範囲も広く、装着した患者さんに大変喜ばれています。
また、これらの入れ歯は、インプラント手術を行うまでのしばらくの間、審美性について満足して頂けるように、若干ではありますが適応症の範囲を超えて多数歯の欠損した症例に対して作成される事があるという話も聞いた事があります。
もちろん、このような状態で作製されたものは、咬むという機能をかなり犠牲にして、ただ『見栄えが良い』『人から入れ歯を入れている事を悟られない』という希望のみで作られるものですから、ある意味でお化粧という考え方で作製されるのも、それはそれで結構な事だと考えています。
(但し、余分な費用を負担出来る方にだけ許される贅沢ですが・・・・。)
さて、既に御紹介致しました、スマイルデンチャー・コンタクトデンチャーにも欠点はあります。これらの入れ歯は『スーパーポリアミド』というナイロン系の材料で作られています。ですから、弾性があり、装着感も良好なのですが、ある条件の下では、この弾性が逆に欠点になってしまう場合があります。
それは、前歯が連続して多数欠損しているケースです。
この写真は、正常な咬み合わせの歯列です。 |
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奥歯の歯列は若干の湾曲はあっても、比較的真っ直ぐに並んでいるため、食べ物を咬む時に入れ歯に加わる力は上下方向の力がほとんどです。 |
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前歯は湾曲が強く、縦方向と横方向からの両方の力を受けます。
①このため、スマイルデンチャーやコンタクトデンチャーの『ウイング部』に使用されているスーパーポリアミドの弾性が欠点となり、入れ歯が前方にずれて、入れ歯の後ろの部分が浮き上がりやすくなります。
②また、敏感な舌の先がいつも直接当たる部分のみがスーパーポリアミドで覆われるために、若干ではありますが舌感が良くありません。
このような湾曲した前歯の連続した多数歯が欠損している状態では、入れ歯の作製にも、特別な配慮が必要になります。
すなわち、このような症例では、スマイルデンチャー・コンタクトデンチャー・スマイルデンチャーC+などの審美性の良い入れ歯も、いざ咬もうとした時、外れそうになります。
これらの欠点を見事に克服したのが
『スマートデンチャー』です。
スマイルデンチャー・コンタクトデンチャーの審美性をそのままに、欠点である弾性を程よく抑えてあります。
しかも前歯の連続した多数歯が欠損の入れ歯を保持させるのに必要な材料と内側の全く他人の目に触れない部分に金属を使用したバネを金属床と一体化させることにより、審美性に優れ、舌感、使い勝手等の良くなるように作られた入れ歯が
『スマートデンチャー』です。
症例は、前歯が連続して6本欠損しており、奥歯はしっかりしていた患者さんに、当院で作製して装着したスマートデンチャーです。
審美性、入れ歯の安定ともに優れ、大きな口を開けて笑っても、前歯に入れ歯が入っているとは決して悟られません。
スマートデンチャーの正面観です。 |
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後ろから見た状態です。 | |
スマートデンチャーは金属床義歯の利点をそのまま持っている入れ歯という事ができます。 |
外側のピンク色のウイング部に使用されている材料はポリカーボネート樹脂です。 ■スマートデンチャーの利点 ●前歯の連続多数歯欠損には、他の追従を許さない程優れた性質を有する。
従来の審美性の良い入れ歯である、スマイルデンチャー・コンタクトデンチャー・スマイルデンチャーC+は、その材料がスーパーポリアミドであるため、『削る』調整は可能でしたが、作製材料を追加することが出来ませんでした。 ■スマートデンチャーの欠点 ○スマートデンチャーは審美性を重視した入れ歯であるため、咬み合わせる力は他の種類の入れ歯におとる。この意味で奥歯が欠損している症例よりも前歯が欠損している症例が適応症となりやすい。 |
コンフォート義歯 |
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